研究課題/領域番号 |
14370458
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
木村 友厚 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (80167379)
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研究分担者 |
森田 裕司 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (30313604)
松下 功 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (80345587)
脇谷 滋之 信州大学, 医学部, 講師 (70243243)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 軟骨 / 修復 / 遺伝子 / コラーゲン / 間葉系細胞 |
研究概要 |
軟骨分化関連遺伝子を分離する目的で、軟骨分化誘導前後の間葉系細胞(N1511)の核抽出液中から、XI型コラーゲンα2鎖遺伝子(Col11a2)のプロモーター中の軟骨特異的エレメントに結合する、少なくとも5つのSDS-PAGE上のバンドを得た。一部のバンドの部分精製後、LS-MS/MS解析を終了し、軟骨分化やマトリックス産生に関連する可能性のある10数個の候補遺伝子を得た。これらの中で、転写制御に関わる可能性の高い2つについて機能解析を行っている。一方、軟骨の分化・変性に関わる遺伝子サーチの過程で、変性に関与する疾患感受性遺伝子として、cartilage intermediate layer protein遺伝子を明らかにした(理化学研究所との共同研究)。本遺伝子産物は、TGFβとの結合を介してTGFβシグナルの伝達に影響を与え、主にsmad経路を介して軟骨マトリックス産生を制御することが明らかとなった。またこのことから、軟骨の分化状態の維持やマトリックス産生において、TGFβシグナルが特に重要であることもあらためて明らかになった。さらにin vivoの軟骨修復促進を目指した細胞移植実験では,間葉系細胞をTGFβ familyの増殖因子(この場合はCDMP1/GDF5)のシグナルを制御して適度の分化度に調整することにより、関節軟骨各層の再構築の観点からも、良好な修復を誘導できることを示した。長期観察の結果、このような分化制御間葉系細胞移植により、従来は充分な再生が困難であった、関節軟骨表層に至る硝子軟骨の微細構築の再構成が得られることが明らかとなった。続いて分化を制御した高密度の間葉系細胞を、ラットの骨軟骨欠損モデルに関注投与することにより、投与細胞の一部が欠損部に集簇して、関節軟骨修復に参画することも初めて明らかした。
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