これまでに40人の若年成人女性(平均22歳)の腰椎、大腿骨頚部の骨密度の測定を行った。同時に既往歴や生活習慣などのアンケート調査及び末梢血の採取を行い、DNAを抽出した。アンケートの結果で、骨密度に影響を及ぼすと考えられる疾患や薬剤投与の既往のある症例を除外し解析を行った。アンケート結果と骨密度の結果からは、体重と腰椎BMD、大腿骨頚部BMDとの間に有意な正の相関が見られた。この相関は体重をBMI(Body Mass Index)に置き換えると弱くなることが明らかとなった。また骨折の既往のある群と無い群との比較では、骨折群で腰椎BMD及び、大腿骨頚部BMDが有意に低くなる結果が得られた。腰痛が見られる群でも腰椎BMDの低下が有意に見られた。運動の既往や、食事の内容などでBMDと有意に相関する項目は認めなかった。次にこれまでに骨密度との相関が発表されているEstrogen Receptorαの1st intron内のRFLP(PvuII及びXbaI)やVitamin D receptorの1st codon polymorphismと、腰椎BMD、大腿骨頚部BMDとの相関を調べたが、有意な相関は得られなかった。最後にIFP35の7つのexon(5'3'-UTRを含む)内の多型及び変異を、SSCP法及びdirect sequence法を用い検索した。これまで調べた40例では、すべてのexon内に、多型及び変異を認めなかった。またIFP35内でこれまでに公表されているSNPについてRFLPを用い確認したが、いずれも多型は確認されなかった。
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