研究概要 |
73人の若年成人女性の腰椎、大腿骨近位部骨密度の測定を行った。同時に末梢血の採取を行い、DNAを抽出した。骨密度に影響を及ぼすと考えられる疾患や薬剤投与の既往のある症例を除外し、解析を行った。まずこれまで骨量と相関が発表されている、Estrogen receptor α、Vitamin D receptor,5,10-Methylenetetrahydrofolate Reductase (MTHFR)に関してその多型と骨量との相関を解析した。Estrogen Receptor αの1st intron内のPvull, Xbal RFLP及びVitamin D receptorのpolymorphismと大腿骨頚部、及び腰椎BMDとの間には相関を認めなかった。MTHFRについては第1,第2,第3腰椎に関してVV genotypeが他のgenotypeに比べ、高骨量であるという相関がえられた。次に新しい候補遺伝子であるIFP35のすべてのexon(5'3'-UTRを含む)内の多型をSSCP法及びdirectsequence法にて検索したが多型は存在しなかった。 上記のhuman studyと並行して低骨量系SAMP6と高骨量系SAMP2とのsub-congenicマウスの作成を行い、重要な骨量制御遺伝子座の存在する第13染色体に付いて、遺伝子存在領域を約3cMに絞り込み、その領域内にある74個の遺伝子の全exonの塩基配列解析をすすめた。これにより15個の遺伝子でアミノ酸の配列が異なる一塩基多型が存在することを確認した。そのうちGgps1(geranyl-geranyl diphosphate synthase 1)、Tbce(tubullin specific chaperone E)が骨量制御候補遺伝子として有力と考えられた。
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