研究課題/領域番号 |
14370463
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
黒坂 昌弘 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70170115)
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研究分担者 |
松井 允三 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60304094)
藤岡 宏幸 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10252777)
吉矢 晋一 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00201070)
国分 毅 神戸大学, 医学部付属病院, 医員
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キーワード | 膝前十字靭帯 / 低出力超音波 / Tenomodulin / bFGF |
研究概要 |
昨年度までに、低出力超音波を犬骨格筋由来細胞に照射することにより靭帯や腱などのdense connective tissueでの発現特異性の高い物質であるTenomodulinの遺伝子発現が増加傾向を示すことを明らかにした。本年度は、超音波照射後にTenomodulinの発現を経時的に解析したところ、超音波照射直後、1時間後と比較的早期にTenomodulinの遺伝子発現が増加することが判明した。さらに、超音波刺激により犬骨格筋由来細胞が靭帯細胞系へ分化傾向を示すことに、成長因子の関与がないか、transforming growth factor(TGF-β)、basic fibroblast growth factor(bFGF)、platelet-derived growth factor(PDGF)、growth/differentiation factor-5(GDF-5)の遺伝子発現を検討した。20分間の低出力超音波照射の直後、1時間後に細胞を回収し、各成長因子のmRNA発現レベルをRT-PCR法にて半定量したところ、TGF-β、PDGF、GDF-5の発現量には、超音波照射群、非照射群間に差は認めなかったが、bFGFのみ超音波照射直後、1時間後とも、非照射群に比較し照射群の方が発現が増加していた。前十字靱帯再建モデルでの移植腱再生過程においてbFGFの関与が重要であると報告されているが、骨格筋由来細胞への超音波照射により、bFGFの発現が増加していたことは、骨格筋由来細胞の増殖や、靭帯細胞など他細胞系への分化にbFGFが関与している可能性が示唆された。靭帯組織の修復や再生過程には種々の要因が関与しているが、その1つとして低出力超音波刺激が有効であると考えられた。
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