研究概要 |
切開長の違いによる二分脊椎の状態の違い(7日胚) 孵卵69,72,75,78,84時間後に各5例の腰仙髄部の背側を0,1,3,5,7体節切扉を加えた。その結果各時間とも0-3体節再開裂では二分脊椎は形成されなかった。3体節再開裂例では背部皮膚に陥凹のみが認められた。一方、5,7体節再開裂ではほぼ全例に二分脊椎が形成された。 それぞれの手術部中央部のH.E..染色切片の観察では、1,3体節再開裂ではほほ正常であるが、5体節再開裂例では中心管が一部背側に開口していた。7体節再開裂例では中心管は完全に背側に開口し、後角が外側に分かれ基板は背側に押し上げられた形であった。 正常では脊髄内部の構造は外側に白質、内側に灰白質が有り最内側に中心管を取り巻く胚芽層が有り各層の境界が比較的明瞭であるが、7体節再開裂二分脊髄例ては腹側に白質、背側に灰白質、さらに背側に幼若な胚芽層が有り各層、特に灰白質と胚芽層の境界は不明瞭であった。 前核の運動神経と思われる大きめの細胞は正常では中間帯の細胞群と連続していたが、7体節再開裂二分脊髄例では白質の中に取り残された島状の構造物となった。 切開長の違いによる二分脊椎の状態の違い(14日胚) 前核の運動神経細胞は7日胚では形態に大きな違いは認められなかったが、14日胚のもので比較すると正常では円形で細胞質には多くのニッスル小体が認められるが、7体節再開裂二分脊椎例では楕円形であり細胞質のニッスル小体は正常に比較しかなり少なかった。運動神経細胞の量的変化よりも質的変化が重要と思われる。
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