研究概要 |
遺伝子レベルでの骨系統疾患(骨・関節の遺伝子病)の診断方法を確立し、同定した遺伝子変異について臨床像と遺伝子型との関連を検討し、骨系統疾患の病態を明らかにすることを目的として研究を行ない、本年度は以下のような成果を得た。 1,platyspondylic skeletal dysplasia, Torrance typeの原因遺伝子がCOL2A1遺伝子であることを発見した。 2,以下の疾患、遺伝子において新規の遺伝子変異を同定した。 (1)pseudoachondroplasia、multiple epiphyseal dysplasia (MED)におけるCOMP遺伝子 (2)Hypochondrogenesis、Spondyloepiphyseal dysplasia congenita、Kniest dysplasia、Stickler症候群、Spondyloepiphyseal dysplasia tardaにおけるCOL2A1遺伝子 (3)MEDにおけるMATN3遺伝子 (4)MEDにおけるCOL9A3遺伝子 (5)Cartilage-Hair hypoplasiaにおけるRMRP遺伝子 (6)Camurati-EngelmannにおけるTGFB1遺伝子 (7)Shwachman-Diamond症候群におけるSBDS遺伝子 3,COMPの変異を持つpseudoachondroplasiaとMEDの患者では、血清COMPが低下していることを発見した。これにより、MEDの遺伝的異質性の簡単なスクリーニングが可能となり、効率的遺伝子診断が行える事が明らかになった。
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