研究概要 |
われわれは破骨細胞に特異的に発現するアポトーシス関連因子DRAK1(death associated protein-kinase related apoptosis-inducing protein kinase)のクローニングに成功した(Kojima, Nemoto, Uemura et al. J.Biol. Chem,276(22),19238(2001))。この新規核内アポトーシス制御因子の破骨細胞における発現プロセスを観察し、骨リモデリング過程におけるDRAK1の役割について調べることが本研究課題の目的である。初年度は2年度以降の実験に用いるためのモデルシステムを破骨細胞のアポトーシスを誘導することが知られているビスフォスフォネートを用いて検討した。 Kakudoらの方法を用いて純化したラビット破骨細胞を、典型的なビスフォスフォネートの一種、クロドロネート添加した培地でアイボリー上で培養した。定量的RT-PCR法によりDRAK1発現の時問的変化を追った結果、3時間後に発現のピークを観察した。つまりクロドロネートによって誘導されるアポトーシスにDRAK1が関与することが明らかになった。また、capase-3活性、bcl-2,bax発現の時間変化とも相関があることから、ミトコンドリアを介したシグナル伝達機構の一部に位置し、caspase-3のインヒビターによる効果から、caspase-3の下流に位置することなどが明らかになった。本年度の研究でクロドロネートを照いた系はモデルシステムとして有用であることが分り、2年度はより詳細なシグナル伝達を本モデルを用いて調べる予定である。本研究成果は30^<th> European Symposium on Calcified Tissues,8-12,May,2003.Rome ItaIyにてHot Topicsとして口演に選ばれ、発表予定である。
|