研究概要 |
骨は絶えず破骨細胞の溶骨作用により溶かされ、骨芽細胞の造骨作用により骨マトリックスが形成される、生きた組織である。DRAK1は提案者たちが破骨細胞からクローニングに成功したカイネースである。本研究課題では平成14年度に行った研究成果をベースとして破骨細胞のアポトーシスにおげるDRAK1の関わるシグナル伝達機構を明らかにする。 破骨細胞のアポトーシスを誘導する因子として、ビスフォスフォネートが知られている。その中で代表的なクロドロネート、エチドロネート添加によるアポトーシス誘導実験系において、破骨細胞のアポトーシスにおけるDRAK1と他のアポトーシス関連因子(caspase3,bcl-2,bax)との関連を調べることにより、DRAK1の関わるアポトーシスシグナル伝達機構を調べた。 具体的には、クロドロネート添加によりアポトーシスが誘導される時間経過の中で、定量的RT-PCR法によるDRAK1発現解析、caspase3活性、bax,bcl-2のmRNA発現のタイムコースを解析した。また、カスペース阻害剤添加による効果も調べた。その結果、DRAK1はクロドロネートにより誘導される破骨細胞のアポトーシスに強く関わっていること。DRAK1はカスペース3の下流に存在すること、baxがかかわっていること、などが明らかになった。今後は、より詳細なシグナル伝達機構を調べ、破骨細胞のアポトーシスにおけるDRAK1の機能に関して明らかにしていく予定である。
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