研究概要 |
われわれは破骨細胞に特異的に発現するアポトーシス関連因子DRAK1(death associated protein kinase related apoptosis inducing protein kinase)のクローニングに成功した(Kojima, Nemoto, Uemura et al. J.Biol.Chem.276(22),19238(2001))。この新規アポトーシス制御因子の破骨細胞における機能を調べるため、破骨細胞のアポトーシスを誘導することが知られているビスフォスフオネートの一種クロドロネートを細胞培養液に添加することによるウサギ破骨細胞初代培養系の挙動を調べた。本年は特に、細胞内でのlocalizationを中心にコンフォーカル顕微鏡観察による研究を行った。 DRAK1はクロドロネートの添加によりアポトーシス誘導が起こると、そのmRNA発現が上昇する。そこでDRAK1の破骨細胞内の局在性を調べるため、ウサギDRAK1のシークエンスからモノクロナール抗体を作製した。その結果、DRAK1は核内に存在すると報告されていたが、破骨細胞においては、接着時の活性を持たないステージでは核内に存在するが、ポドソーム形成やアクチンリング形成とともに、核内から核外にも存在することなどが分かった。また、他のアポトーシス関連因子との相関も観察された。これらの結果から、DRAK1は破骨細胞のライフサイクルと深い関係を持つことが分かった。これらの結果は、2005年6月のEuropean Calcified Tissue International(ECTS)国際会議において報告する。
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