研究課題/領域番号 |
14370483
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
岡本 学 新潟大学, 医学部附属病院, 講師 (70303146)
|
研究分担者 |
馬場 洋 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00262436)
藤原 直士 新潟大学, 医学部, 教授 (70181419)
|
キーワード | 脳虚血耐性モデル / 脳虚血負荷 / 近赤外線微分干渉観察 / 膜電流観察 / 形態観察 / 経時的同時記録 |
研究概要 |
砂ネズミ脳神経細胞における虚血後早期の細胞膨化および電気生理学的変化の経時的同時測定 1、砂ネズミ脳虚血耐性獲4モヂルの確認 砂ネズミの虚血耐性獲得の確認を行うため、両側総頚動脈2分間閉塞による虚血前処置を行った群(前処置群)と虚血前処置を何も行わなかった群(虚血群)2つの砂ネズミ群を準備した。前処置を行った24時間後、虚血、処置各群に総頚動脈5分間閉塞の虚血負荷を行い、さらに虚血前処置も行わず5分虚血用に総頚動脈露出だけ行ったが虚血を負荷しない群(虚血Sham群)を加えて、その1日後と6ヵ月後にそれぞれ3群から脳海馬スライス標本を作製し、膜電位感受性色素による神経興奮伝播画像解析装置を用い、CA1放射層への電気刺激により誘起される興奮伝播を観察した。その結果、虚血群と前処置群の両群で虚血Sham群に比べ與奮伝播範囲の滅少が認められた。その程度は虚血群において顕著で虚血Sham群に対し統計的有意であったが、前処置群はSham群に対し有意ではなかった。さらに、虚血群と前処置群との比較では虚血群で有意に興奮伝播範囲の減少が観察された。上記の所見は5分間虚血負荷6ヵ月後の経時的観察でも同様であった。以上のことから形態的変化だけでなく神経興奮という機能面でも、2分間虚血によりその後の虚血負荷に対する耐性獲得の可能性が確認された。 2、近赤外線微分干渉顕微鏡を用いた脳スライス標本おげる細胞の可視化 砂ネズミから厚さ約400μmの脳海馬スライス標本を作製し近赤外線微分干渉顕微鏡で観察した。その結果、生きた神経細胞にマイクロマニピュレーター誘導下に記録用ガラス微小電極を吸引接着し、ホールセルパッチクランプ法によって電気生理学的記録を行うことが可能であった。このことから、低酸素・無グルコース灌流液置換による虚血類似環境下での神経細胞形態変化と細胞内電気生理学的変化の経時的同時記録施行の準備が整った。
|