研究概要 |
吸入麻酔薬による視床部LD部位神経細胞のGABA性抑制電流の変化に及ぼす麻酔拮抗薬の効果を調べた。 実験方法:ラット(17-20days)を用いの脳スライスを作成、環流式のチャンバーに移した後、混合ガス(O_2(95%),CO_2(5%))バブリングしたIan Solutionを環流しながら、顕微鏡下にガラス電極で視床のLD GABA神経細胞をパッチした。ホールセルの状態にした後、吸入麻酔薬(Habthan(0.5%))を含む混合ガスでバブリングした細胞外液(CNQX, AP-5, Strychnine, DMSOを含むIan Solution)を環流しながら、GABA性抑制性電流を記録した。ハロセン、セボフルレンによる変化が安定した後、麻酔拮作用のあるミリスチン酸とドキサプラム灌硫させ、影響を観察した。 結果:0.5%ハロセンにより増強したGABA電流を麻酔拮抗薬ミリスチン酸は減少させる傾向を示した。0.5%ハロセンにより延長したGABA電流の時定数τはミリスチン酸による影響を受けなかった。0.5%セボフルレンにより増強したGABA電流を麻酔拮抗薬ドキサプラムは減少させる傾向を示した。0.5%セボフルレンにより延長したGABA電流の時定数τはドキサプラムによる影響を受けなかった。 考察:ミリスチン酸、ドキサプラムによる麻酔拮抗作用は麻酔薬で増強したGABA電流の抑制による可能性がある。
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