研究課題/領域番号 |
14370489
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
尾原 秀史 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80030998)
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研究分担者 |
森川 修 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (50335436)
仁科 かほる 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20311780)
三川 勝也 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40229662)
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キーワード | 急性肺傷害 / アポトーシス / 肺胞上皮細胞 / フォスフォジエステラーゼ阻害薬 / ブレオマイシン / エンドトキシン / 血管内皮前駆細 / 好中球 |
研究概要 |
本年度は基礎実験として成体から血管内皮前回細胞を分離することを目標とし、ヒト末梢血を使用しCD34抗体陽性細胞を免疫ビーズ法で単離した。これを血管内皮特異的培地(EBM-2培地+VEGF+FBS+IGFなど)にて増殖させることにより血管内皮前駆細胞に分化・誘導することができた。血管内皮前駆細胞は形態的観察及び内皮細胞の表面抗原(Flk-1, CD34, VEカドヘリン)の発現をフローサイトメトリーにて確認した。これらのデータは末梢血から血管内皮細胞を供給できる可能性を示している。肺胞上皮修復治療の基礎実験としてラット培養肺胞II型上皮細胞を用いフォスフォジエステラーゼ阻害薬であるロリプラムやアムリノン、ミルリノンの細胞増殖に与える影響をBrdU取り込み法とMTT改良法で評価したところ増殖因子(KGFやHGF)の存在下でも非存在下においても0.01〜1.0mmol/Lのロリプラムは肺胞II型上皮細胞の増殖を亢進した。一方、線維芽細胞の増殖に対しては影響しなかった。またARDSの病態における血管内皮前駆細胞の関与を明らかにするためにエンドトキシンによるラット急性肺傷害モデルとブレオマイシン肺傷害モデルを用いて肺傷害の自然経過として血管内皮の傷害肺での動態を内皮細胞の表面抗原を免疫組織学的に検討して評価した。これによるとプレオマイシン肺傷害モデルでは血管の増殖が認められたがエンドトキシン肺傷害モデルではほとんど認められなかった。今後の計画としては末梢血から得られた血管内皮前駆細胞をin vivo投与し肺における定着制御方法を検討する。
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