研究課題/領域番号 |
14370489
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
尾原 秀史 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80030998)
|
研究分担者 |
森川 修 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (50335436)
仁科 かほる 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20311780)
三川 勝也 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40229662)
|
キーワード | 急性肺傷害 / アポトーシス / 肺胞上皮細胞 / フォスフォジエステラーゼ阻害薬 / プレオマイシン / エンドトキシン / 血管内皮前駆細胞 / 好中球 |
研究概要 |
急性肺傷害時の肺胞上皮の再生治療を目標にラット2型肺胞上皮細胞を培養し肺傷害ラットの気管内に投与し組織学的・生化学的に検討した。エンドトキシンをラットに腹腔内投与し急性肺傷害モデルを作成した。別に健康ラットの肺より2型肺胞上皮細胞を分離・培養し、この細胞を50万個/0.5mLの濃度で気管内に投与した。この作業を6時間毎に3回行なった。コントロール群は生理食塩水を投与した。培養2型上皮細胞の最終外来投与の後、48時間後にラットの肺を摘出し組織学的に検討したところ無治療群は上皮細胞が多く破壊され一部、線維化が始まっていた。一方、細胞外来投与群では若干、肺胞上皮細胞の破壊度が軽減しており線維化が抑制されている傾向にあった。TTF-1による免疫組織学的検討では陽性細胞が外来投与治療群で多く見られたが陽性率に有意差は認めなかった。線維化の指標である摘出肺のコラーゲン量は外来投与治療群でコントロール(無治療)群に比べ少なかったが、有意差は認められなかった。また、治療群に10匹中2匹の死亡があり無治療群は12匹中3匹死亡し、死亡率に有意差は見られなかった。今後、細胞の投与回数、投与量を再検討し、また生着率や細胞の増殖率を上げる何らかの工夫を見い出したい。例えばKGFやHGFのような増殖因子と外来性の細胞同時投与を考慮したい。また、本実験のように急性期ではなく、より線維化が進む晩期の肺傷害に対する影響を検討する必要がある。
|