研究課題/領域番号 |
14370496
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
石井 脩夫 東京医科大学, 医学部, 教授 (00074865)
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研究分担者 |
芝崎 太 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所・細胞生理, 研究員
内野 博之 東京医科大学, 医学部, 講師 (60266476)
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キーワード | 低酸素 / Ca2_+濃度 / 免疫抑制剤 / DNA chip / NCX / カルシニューリン / イムノフィリン |
研究概要 |
平成15年度の研究では低酸素下における細胞内およびミトコンドリア内のCa2_+濃度を海馬スライスを用いて測定し、各種免疫抑制剤(CsA(サイクロスポリンA)およびFK506)のCa2_+濃度増加に対する抑制効果を検討した。 CsAは1μmol-5μmolで細胞内およびミトコンドリアのCa2_+濃度上昇を有意に抑制し、0.1および10μmolではその抑制効果が消失した。 FK506は0.1μmol-2μmolで有意に細胞内およびミトコンドリアのCa2_+濃度上昇を抑制したが0.01μmolではその抑制効果が消失した。 これらの結果より各種免疫抑制剤は細胞膜表面のCa2_+受容体とミトコンドリアに作用して細胞内およびミトコンドリアのCa2_+濃度上昇を抑制することが判明した。また、DNA chipによる遺伝子解析実験は、CsA投与群と非投与群の間における遺伝子発現の違いを経時的に解析を行った。約14,000の遺伝子発現に差を認めた。特に、Preliminaryには受容体の遺伝子Heat Shock蛋白、ミトコンドリアおよびリボソーム機能に関連した遺伝子等の発現の増強が認められた。DNA chipによる解析はさらなる実験の継続を要するものと思われた。NCXと神経細胞死との連関解析はPreliminary dataとして虚血によって減少するNCXの発現がCsAにより維持されることが判明した。以上の結果よりカルシニューリン/イムノフィリン情報伝達系の低酸素性神経細胞障害への関与が示唆された。今後、さらなる検討を加えたい。
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