研究課題/領域番号 |
14370502
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 獨協医科大学 (2004) 群馬大学 (2002-2003) |
研究代表者 |
深堀 能立 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (90199167)
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研究分担者 |
門傳 剛 獨協医科大学, 医学部, 講師 (20323363)
小山 徹也 群馬大学, 医学部, 助教授 (50233622)
柴田 康博 群馬大学, 医学部, 助手 (90344936)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | アンドロゲン / 受容体 / 共役因子 / 核内受容体 / 前立腺 / ホルモン抵抗性 / 再燃 / 予測 |
研究概要 |
1.リアルタイム定量的PCR装置の選定 アプライドバイオシステム社とバイオラッド社のリアルタイム定量的PCR装置の性能比較の実験を行い、通常のTaqMan Probeのみで低濃度まで定量可能であるバイオラッド社のiCyclerを購入することにした。 2.リアルタイム定量的PCRによる定量法の確立 iCycler iQ systemにより、GAPDH、p120α、p120βとも50コピーから特異的に定量できることが確認された。GAPDHは内標として発現量の比較に用いた。 3.前立腺組織内のp120α、p120βの発現性 p120αの発現は、前立腺肥大症(B群、23例)、新鮮前立腺癌(N群、30例)および局所再燃前立腺癌(R群、29例)の各群で有意差を認めなかったが、p120βの発現はB群、N群、R群の順に発現が低下し、各群間には有意な差が認められた。p120βとp120αの発現比p120β/αもB群、N群、R群の順に発現が低下し、各群間には有意な差が認められた。 4.p120αとp120βによる前立腺癌のホルモン抵抗性再燃予測 ホルモン療法を受けた前立腺癌患者のPSA再燃ついて、前向きのコホート研究をKaplan-Meier法によりおこなった。p120α高発現群(34例)、p120α低発現群(15例)の両群の間には、有意な差が認められた(Logrank test : p<0.01)。p120β高発現群(18例)とp120β低発現群(31例)のLogrank testによるPSA再燃については、有意な差は認められなかった。 アンドロゲン受容体に対して選択的コアクチベーターとしての作用を持つp120βでは、PSA再燃を予測できないことが示唆されたが、非特異的な核内受容体コアクチベーターp120αは、前立腺癌のホルモン療法において、PSA再燃を予測する新たな分子マーカーとなる可能性が示された。
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