研究課題
基盤研究(B)
<動物実験(イヌ)>1)下腹神経の高度損傷に対する自然再建が長期経過後(4年後)に高率(約60%)に起こることを、前立腺を指標にして組織学的、電気生理学的に確認した。2)新膀胱(腸管利用)に対する骨盤神経再支配を、本来膀胱を支配している骨盤神経と腸を支配している結腸神経との間に下腹神経を移植して1年6ヶ月後に検討した。電気生理学的、組織学的(光顕、電顕)に上記神経経路の再建が高率に確認された。H.E.染色、鍍銀染色、電顕ともに移植神経部に神経線維の存在が連続的に確認された。3)再建方法による自律神経の再建効率を比較検討し、自律神経でも体性神経でも高率(60%台)に再建がおこり、断端は1針縫合でも2針縫合でも再建率に有意差はなかった。4)下腹神経の欠損部に人工神経チャンネル(polyglycolic acid-collagen)を移植し、電気生理学的、組織学的に欠損部の神経再生が確認された。5)射精のメカニズムの一部である膜様部尿道、球海綿体筋、坐骨海綿体筋に対して腰仙部交感神経が支配を及ぼしている新知見を得た。6)骨盤内臓器において、筋の弛緩に関与するNOの変化を検討した。<臨床応用>7)前立腺癌の前立腺全摘除において、勃起を支配する陰茎海綿体神経の欠損部に自家神経移植(片側移植、両側移植、両側内側移植)を施行(28例)し、いずれの方法でも再建成功例(陰茎海綿体反応陽性)を得た。勃起の自覚がみられた時期は術後平均13.4ヶ月であった。自家神経グラフトとして腓腹神経、あるいは陰部大腿神経を用いた。約100例の患者さんに神経移植の説明を行い、希望者は28例であった。8)精巣癌の後腹膜リンパ節転移例において、腰内臓神経欠損部に陰部大腿神経を移植し、射精機能温存例を得た。9)低侵襲、安全、低コスト手術としてミニマム創・内視鏡下手術を開発し、同手術下に神経再建を行なう方法を開発した。
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