研究課題
基盤研究(B)
腎臓癌の血管新生に関わっていると考えられている低酸素応答転写因子(Hypoxia inducible factor : HIF)のDNA結合配列(Hypoxia responsive element : HRE)を特異的に認識するピロールイミダゾールポリアミド3種類を設計、合成して血管内皮成長因子(VEGF)の転写が抑制できるかどうかを検討した。VEGFのHREを組み込んだレポータープラスミドを用いたLuciferase assayによる解析では3種類のポリアミドの投与によりHIFによるVEGFプロモーター転写活性誘導が濃度依存性に抑制された。ポリアミド単独投与よりも3種類のポリアミドを混合投与した場合のほうが転写の抑制は顕著な傾向がみられた。HIFの活性が亢進しているヒト腎臓癌細胞A498を用い、上記のポリアミドが実際にVEGFの転写を抑制できるかどうかを検討した。Real time RT-PCRによるmRNAの定量解析にて72時間のポリアミド暴露によりVEGF mRNAは約50%抑制された。蛋白レベルでの抑制を確認するためELISAにてA498細胞の培養上清中のVEGF濃度を測定した。培養上清中VEGF濃度もVEGF mRNAの低下に一致して72時間のポリアミド投与により約50%抑制されることが確認された。複数のピロールイミダゾールポリアミドの投与により腎臓癌血管新生の主要因子であるVEGFの産生を抑制できる可能性が示唆された。
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