研究概要 |
平成14年度は主に移行上皮癌細胞についての検討を進め以下の結果を得た. 1.正常移行上皮および移行上皮癌細胞におけるXIAPの発現の検討 正常移行上皮での発現の検討では最表層の細胞で高発現であった.移行上皮癌細胞では手術切除標本108例中79例(73.2%)で発現を認めたものの,病理組織学的あるいは臨床的因子との有意な相関は認めなかった. 2.移行上皮癌細胞におけるXIAPの発現の検討 検討した4種の移行上皮癌細胞ではいずれも同程度の発現を認めた. 3.アンチセンスオリゴDNAによるXIAP発現の修飾 XIAP遺伝子転写開始部位から20merに対するS化オリゴヌレオチドを作成し,T24に対して,XIAP発現の抑制効果を検討した,この結果,20uMで24時間作用させた際に最も強い抑制効果が認められた(96.2%). 4.XIAP遺伝子のクローニングと発現ペクターの作成 293細胞からXIAP遣伝子のopen reading frameをRT-PCR法によりpTargetTTMにクローニングした.複数のクローンを単離し,シークエンシングにより配列にmisincorporationのないことを確認した. 5.T24へのXIAP遺伝子導入と強制発現 electroporation法にて上述の発現ペクターをT24に導入し,G418による選択を行った.この結果,15個のstable transfectantを得た. 6.T24-XIAP transfectantでのXIAP発現の検討 クローン番号2と8が親株と比して4?5倍のXIAP発現量をみとめた.
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