研究課題/領域番号 |
14370509
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小野 佳成 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00301218)
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研究分担者 |
服部 良平 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (20324410)
山本 徳則 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20182636)
吉野 能 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (70324415)
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キーワード | Human kidney transplantation / 慢性移植腎腎症 / chronic rejection, hyperfiltration / renal microcirculation / ischemic damage / 腎阻血再灌流障害 |
研究概要 |
本研究は生体拡大内視鏡により400倍の拡大視野で腎臓糸球体または尿細管周囲毛細血管を流れる赤血球の動きをとらえ、その連続画像を時空間処理をして、ヒト移植腎におけるchronic allograft nephropathyの原因と考えられている糸球体のhyperfiltrationや尿細管周囲毛細血管における再還流障害を明らかにしようとするものである。現在、腎臓の糸球体のhyperfiltrationは糸球体腎炎や糖尿病性腎症をはじめとする腎疾患の進行を説明する機序として現在広く認められており、腎再還流障害は移植腎の非免疫的機序の中でも最近注目されている。これらの血流を直接測定することにより。移植腎のみならず多くの腎疾患の進行機序の解明につながり、同時に進行防止の開発につながると考えられる。 平成16年度は生体顕微鏡を用いたヒト尿細管周囲毛細血管血流速度を生体腎移植症例(n=11例)と献腎移植症例(n=9例)で測定した。腎阻血再灌流は生体腎でも尿細管周囲毛細血管血流レベルで早期に一過性に生じており、さらに阻血時間が長い献腎移植では回復時期が遅れることを初めて明らかにした。 血流再開20分後の尿細管周囲の赤血球速度は献腎移植において移植後の透析期間と移植後の最大C-Crと有意な相関を認めた。拡大内視鏡を用いた移植腎の赤血球速度は阻血の影響を受ける献腎移植において移植後早期の腎機能の予後と有意な相関を示した。
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