研究概要 |
マウス精母細胞株GC-2spd(ts)に由来する、減数分裂を起こすクローンGC-2M細胞を利用して、以下の成果を得た。 1.GC-2M細胞における減数分裂の解析 GC-2Mを32度で培養してRNAを抽出し、RT-PCR法により、精子形成細胞の分化に応じて通常発現している遺伝子、cot-4,rad21,rad51,rec8,SCP-3,Dmc1等の発現状態を解析したが、rad21が発現検出できたのみで、他は検出できなかった。GC-2Mが減数分裂時に対合を行っているかどうか、相同染色体の対合状態を顕微鏡さ観察すると共に、免疫染色にて確認する予定である。なお、レトロウイルス感染により1n細胞のマーキングを試みている。 2.GC-2M細胞の表面蛋白に対する抗体の作製 (1)GC-2M細胞を大量培養し、その膜分画を精製し、抗原としで雌マウスを免疫し、ハイブリドーマを作製した。約300クローンの培養上清でマウス精巣の凍結切片を染色して、精子形成細胞を染色するモノクローナル抗体を選び、抗体の特異性、安定性等から3クローンを主に解析中である。GC-2M細胞を染色するが、GC-2N細胞(減数分裂を行わないGC-2spd(ts)由来クローン)は染色しない抗体は認められなかった。 (2)10種類のモノクローナル抗体について、GC-2M細胞の増殖に対する影響を解析したが、影響は見られなかった。マウス生体内での効果を一部検討中である。 3.GC-2M細胞で減数分裂特異的に発現する遺伝子の検索 GC-2M細胞において、正常精巣温度(32度)特異的に発現する遺伝子を、8、500遺伝子のマイクロアレイで検索した。37度に比べ発現量に2倍以上の差があるものについて、ノーザン解析で確認中である。
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