研究概要 |
VHL蛋白の変異によってのみヒト腎細胞癌は癌化を達成するとは考え難いためにVHL蛋白の変異に連携して連続的に異常を引き起こす遺伝子蛋白群を同定するために腎癌に特異的にメチル化によりが不活化を受ける癌抑制遺伝子群を検索した。 まず、既知のP14,P16、Death associated protein kinaseなどの10数種類の癌抑制遺伝子群を探索したが癌特異的に強くメチル化を受ける遺伝子は発見出来なかった。そのために札幌医科大学内科及び癌研の豊田実博士と共に共同研究を行いmethylated CpG island amplification法で数百個の候補遺伝子を設定して、そのpromoter領域のメチル化をCpG island methylator phenotype (CIMP)として網羅的に検索した。その結果、MIRC-1,MIRC-2,MIRC-3,MIRC-4の4つを同定した。これらは臨床検体の腎細胞癌で各30%以上が腎癌細胞株でも同様の結果であった。このように癌特異的にメチル化され、mRNA発現が消失している遺伝子として同定した。これらの遺伝子は多くの腎細胞癌で3つ以上が特異的にはメチル化を受けており腎細胞癌に特異的なmethylator phenotypeと考えられた。
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