研究課題/領域番号 |
14370527
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
塩沢 丹里 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (20235493)
|
研究分担者 |
小西 郁生 信州大学, 医学部, 教授 (90192062)
二階堂 敏雄 信州大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50180568)
|
キーワード | 子宮内膜 / 子宮内膜癌 / 不死化 / large T抗原 / Ras / テロメラーゼ / エストロゲン |
研究概要 |
(1)培養ヒト内膜腺上皮細胞のin vitro癌化系の確立 正常内膜の癌化に関わる遺伝子のモデルとして培養ヒト内膜腺上皮細胞に、large T抗原、変異-ras、hTERTを導入し、内膜癌を作製する計画を立てた。その第一段階として不死化子宮内膜腺上皮を得るために、まず最初に正常子宮内膜腺上皮細胞にlargeT亢原を導入した。しかしながら、約10代継代した時点で腺上皮様細胞が消滅し間質細胞様細胞に置換されるという問題に直面し、large T抗原発現プラスミド導入時の子宮内膜腺上皮のpurityに問題がある可能性が考えられた。このため、子宮内膜腺上皮を選択的に認識する抗ケラタン硫酸抗体を使用したMACS法によってより純度の高い腺上皮を新たに分離し、large T導入に供した。現在約5代継代しているが、上皮形態は維持されている。また現在、ウィルスベクターを使用して導入する計画を準備中である。 (2)子宮内膜腫瘍形成の各過程における関連遺伝子の同定 正常子宮内膜-子宮内膜増殖症、子宮内膜増殖症-内膜癌の各ステップに起こると予想される遺伝子変化を同定するために、同一患者の新鮮凍結組織切片からlazor captured microdissection法を使用して正常内膜腺細胞、病変細胞を正確に採取した。これらの細胞からmRNAを抽出したのち、これをT7 RNAポリメラーゼ法にて増幅し、増幅後のmRNAを使用してcDNAサブトラクション法を施行した。現在までに正常と増殖症および正常と癌の間で発現量に差のあった約100個の遺伝子のサブクローニングと塩基配列の決定が終了した。これらの約半数は未知の遺伝子であった。今後は定量的RT-PCRとIn situ hybridizationによってこれら遺伝子発現の組織特異性を検討する予定である。
|