研究課題/領域番号 |
14370533
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
丸尾 猛 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60135811)
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研究分担者 |
松尾 博哉 神戸大学, 医学部, 教授 (60229432)
中林 幸士 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80362789)
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キーワード | 絨毛外トロホブラスト / 甲状腺ホルモン / 胎盤形成 / 浸潤能 / 細胞接着関連分子 |
研究概要 |
甲状腺機能異常女性では、不育症となることが多く、妊娠が継続しても流早産、さらには子宮内胎児発育遅延をみることが多い。一方、絨毛外トロホブラスト(extravillous trophoblast : EVT)は接着・浸潤と血管新生を介して妊娠初期の胎盤形成に重要な役割を果たす。すでに、甲状腺ホルモン(T3)はEVTのアポトーシスを抑制することによりその脱落膜への浸潤を促進する可能性を報告している。 本年度は、すでに我々が確立した単離EVT培養系を用いて、T3のEVT浸潤能に及ぼす影響をMatrigel invasion assayにより、T3の細胞接着関連分子発現に及ぼす影響をP-2、-3、TIMP-1、fetal FN(FFN)、integrinα5β1のmRNAならびに蛋白発現よりそれぞれ検討した。Matrigel invasion assayにおいて、T3添加群では非添加群に比して、培養24,48、72時間後に浸潤EVT数が有意に増加した。細胞接着関連分子発現に及ぼす影響に関しては、培養EVTでMMP-2、-3、TIMP-1、FFN、integrinα5β1のmRNA発現が観察され、T3添加によって培養24時間後のEVTのMMP-2、-3、FFN、integrinα5β1 mRNA発現は非添加群に比して増強した。また、T3添加は培養48時間後のEVTのMMP-2、-3蛋白発現を増強した。 生理的濃度のT3は培養EVTの浸潤能を高め、浸潤促進に関連する細胞接着関連分子の発現を増強することから、妊娠初期のEVT脱落膜侵入に対して促進的に働くことが示唆された。このことは甲状腺機能異常に伴う不育症や流早産の病態とその分子メカニズム解明につながる重要な基礎的知見である。
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