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2002 年度 実績報告書

自己幹細胞を分化、誘導した喉頭、気管の再生

研究課題

研究課題/領域番号 14370541
研究機関京都大学

研究代表者

金丸 眞一  京都大学, 医学研究科, 助手 (30324643)

研究分担者 田中 信三  京都大学, 医学研究科, 講師 (90163526)
大森 孝一  京都大学, 医学研究科, 講師 (10233272)
中村 達雄  京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (70227908)
平塚 康之  京都大学, 医学研究科, 助手 (40324636)
キーワード気管・喉頭の再生 / In situ tissue engineering / 幹細胞移植
研究概要

人工気管・喉頭の枠組み作製とIn situ tissue engineeringによる臨床応用
1
気管・喉頭の枠組みの再生を図るため、ポリグリコール酸メッシュをコラーゲンで被覆した人工気管・喉頭を作製し、形態保持のためにポリゴロピレンで補強し、その物理特性を実際の気管・喉頭などと比較測定した。この測定結果から、実際の気管・喉頭とほぼ強度と弾性特性を有することが判明し、欠損した喉頭、気管をこの人工物で形成した場合、じゅうぶんに形態が保持されることが明らかになった。この基礎実験をもとに、8頭のビーグル犬を用いて、様々な癌の浸潤範囲を想定して、部分的に輪状軟骨、喉頭の甲状軟骨部、気管および周囲組織の切除を行い、その欠損部分に最適形状の人工気管・喉頭を縫着して、喉頭の枠組みの再建を図る実験を行った。この際、当初はこれに幹細胞を添加する計画であったが、より早期に臨床応用を開始するという目的から、幹細胞の代用物として自己動脈血を添加した。これにより新たに形成した人工気管・喉頭表面は、約1ヶ月で増生した周囲粘膜で完全に被覆され、気管内には繊毛も再生した。また、再生した気管・喉頭内には、呼吸の障害となるような肉芽の形成や、狭窄などは発症せず、十分に形態が保持されるものであった。また、この再生気管・喉頭の切除標本では、ポリプロピレン周囲が結合組織で埋まり周囲組織と完全に同化していた。この実験結果を踏まえて、京都大学の倫理委員会での承認申請を行い、人工気管・喉頭の使用認可を得、2002年12月甲状腺癌の気管・喉頭侵潤例に対し、臨床応用を行い経過観察中である。短期的には、犬による実験結果と同様に良好な結果をたどっており、十分な臨床応用に耐えうるものと思われる。今後、臨床応用例を増やすとともに長期的観察を行い、より自然な形態の気管・喉頭の再生を目指して、デザインを検討して行く予定である。さらに、喉頭を構成する声帯、反回神経などの再生も平行して行ってゆく。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Shin-ichi Kanemaru, et al.: "Recurrent laryngeal nerve regeneration by tissue engineering"Ann Otol Rhinol Laryngol. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Shin-ichi Kanemaru, et al.: "Regeneration of the vocal cord using autologous mesenchymal stem cells"Ann Otol Rhinol Laryngol. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Koichi Omori, et al.: "Cricoid regeneration using in situ tissue engineering in canine larynx for the treatment of subglottic stenosis"Ann Otol Rhinol Laryngol. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Shigeru Hirano, et al.: "Hepatocyte Growth Factor and Its Receptor c-Met in Rat and Rabbit Vocal Folds"Ann Otol Rhinol Laryngol. 111・8. 661-666 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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