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2002 年度 実績報告書

胚性幹細胞を用いた内耳再生の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14370544
研究機関山口大学

研究代表者

山下 裕司  山口大学, 医学部, 教授 (00210419)

研究分担者 中井 彰  山口大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60252516)
キーワード胚性幹細胞 / 内耳器官培養 / 分化
研究概要

1.マウスの胚性幹細胞に,green fluorescent protein (GFP)遺伝子をもつベクターをtransfectionさせ,蛍光下で緑色に発色する胚性幹細胞を作成した.まず,pGFPにあるGFP発現遺伝子の部分をpcDNAneo3.1とライゲーションさせ,ネオマイシン耐性遺伝子を持ち,かつGFPを発現するプラスミド(pcDNAneo3.1/GFP)を得た.マウス胚性幹細胞は,leukemia inhibiting factor (LIF)存在下で培養,増殖させた.回収した胚性幹細胞に,今回作成したpcDNAneo3.1/GFPを,electroporation法を用いてtransfectionした.ネオマイシンで,遺伝子導入された細胞を選別し,できたコロニーが蛍光下で緑色に発色することを確認し,pick upした後再び培養,増殖させてストックした.これにより,この胚性幹細胞をin vitroで分化,増殖させ,培養内耳に移植する際,ドナーとしてのマーカーをもつことができる.
2.胚性幹細胞をin vitroで移植,生着させるためのモデルとして,蝸牛の器官培養を行った.生後6日のマウスの側頭骨を摘出し,蝸牛骨壁を除去,血管条,らせん靭帯,蝸牛軸などをはずし,コルチ器を取り出した.組織の摘出は,すべてクリーンベンチの中で,清潔操作で行った.コルチ器は,培養液(DMEM F12)に浸し,37度,5%CO2の環境下で培養を行った.1,2,3週間培養した組織を,それぞれの時点で4%パラホルムアルデヒドを用いて1時間,4度で固定後,ファロイジン-FITCで染色し,蛍光顕微鏡を用いて形態学的な検討を行った.現在までのところ,3週間まで培養しても,コルチ器の外有毛細胞,内有毛細胞の脱落や配列の乱れはほとんどないことが確認された.
3.in vitroでのコルチ器の障害モデルとして,ネオマイシンを添加した培養液でコルチ器を培養し,ネオマイシンの濃度を変化させた時の,その形態学変化を検討している.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 山下裕司: "内耳への薬物輸送システムによる治療への応用"Equilibrium Research. 61(2). 104-108 (2002)

  • [文献書誌] 菅原一真, 下郡博明, 奥田 剛, 山下裕司: "ATP内耳直接投与の音響障害に対する効果"頭頸部自律神経. 16. 8-10 (2002)

  • [文献書誌] O.Horiike, H.Shimogori, T.Ikeda, H.Yamashita: "Protective effect of edaravone against streptomycin-induced vestibulotoxicity in the guinea pig"European Journal of Pharmacology. (in press).

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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