研究課題/領域番号 |
14370546
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菊地 俊彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70177799)
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研究分担者 |
吉田 尚弘 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (90291260)
川瀬 哲明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50169728)
小林 俊光 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80133958)
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キーワード | Kir4.1 / gap junction / pottassium ion / cochlea / sodium channel / Navl.6 |
研究概要 |
各種イオンチャネルに対する特異抗体を用いて、その蝸牛内局在を免疫組織化学的に詳細に検討した。その結果、内向き整流性カリウムチャネルKir4.1が蝸牛支持細胞、outer sulcus cell,血管条に強く発現することを明らかにした。outer sulcus cellから外リンパへのカリウムイオンの放出機構がこれまで解明されていなかったが、我々の研究成果により、それに対する明確な回答を得ることが出来た。 また、電位依存性ナトリウムチャネルNav1.6がラセン靭帯線維細胞に強く発現していることを解明し、内耳におけるイオン輸送機構の全貌を解明する上で貴重なデータを得ることが出来た。 更にglutamate transporterの一種であるGLASTがラセン靭帯線維細胞において豊富に発現することを明らかにした。また、glutamine synthetaseもラセン靭帯線維細胞に強く発現していることを解明し、内耳におけるグルタミン酸代謝機構を解明した。GLASTによるglutamateの輸送は細胞内外のNaイオン濃度に依存しており、また、GLASTによるglutamateの取り込みに際して、電解質組成に変化が生じることも想定された。 以上の成果を2004年2月にアメリカ合衆国フロリダ州Daytona Beachで開催されたARO Midwinter Meetingで発表し、イオン輸送機構に関する画期的な研究成果として注目を集めた。
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