研究課題/領域番号 |
14370553
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阿部 俊明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90191858)
|
研究分担者 |
和田 裕子 東北大学, 大学病院, 講師 (70302130)
富田 浩史 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40302088)
佐藤 肇 東北大学, 大学病院, 助手 (10312571)
大和 雅之 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (40267117)
岡野 光夫 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00130237)
|
キーワード | 網膜色素上皮細胞 / 虹彩色素上皮細胞 / 脳由来神経栄養因子 / 細胞移植 / アデノアソシエイトウイルス / 網膜変性 / 光障害 / ウイルス至適濃度 |
研究概要 |
我々は自己の虹彩色素上皮細胞(IPE)であれば培養して網膜下に移植しても安全であることを報告してきた。また、この移植細胞である網膜色素上皮細胞(RPE)やIPEに脳由来神経栄養因子(BDNF)遺伝子を導入することで、光障害視細胞変性ラットモデルの視細胞を保護する効果のあることを報告した。この遺伝子導入にあたりlipofection法を用いたが、将来の臨床応用を考慮し、より能率よく遺伝子導入できる方法として、すでに臨床応用されており、しかも病気との関連が知られていないアデノアソシエイトウイルス(AAV)を使用することを検討した。AAVにBDNF遺伝子を導入し(AAV-BDNF)、IPEに感染させ(AAV-BDNF-IPE)、この細胞を移植するとこの細胞は少なくても3ヶ月は網膜下でBDNF遺伝子が発現することが判明した。しかもAAV-BDNF-IPE移植は、視細胞の光障害に対する保護効果が3か月をすぎても見られた。また、AAV-BDNF-IPEが長期間網膜下に存在しても網膜電図や蛍光眼底検査では有意な異常所見は見られなかった。次にAAV-BDNFの至適濃度の検討を行ったが、IPEに感染させるかぎり、我々の条件では移植細胞に毒性はみられず、光障害に対する視細胞保護効果は1x10^5細胞に対して1x10^7capsids/ml以上のAAV-BDNFを感染させたIPEを使用すれば保護効果が高まることが判明した。
|