研究課題/領域番号 |
14370557
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
寺崎 浩子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40207478)
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研究分担者 |
近藤 峰生 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80303642)
中村 誠 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60283438)
三宅 養三 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30166136)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 糖尿病黄斑浮腫 / 内境界膜 / 酵素 / 硝子体手術 / 黄斑円孔 / 網膜電図 / 加齢斑変性 / 網膜色素上皮 |
研究概要 |
硝子体の病態は周囲組織の機能異常に反映される。本研究では硝子体の網膜機能への関わりを研究し、硝子体の病態生理の一面を解明した。まず、硝子体の質的、構造的異常と黄斑疾患の相互関係では、無/偽水晶体眼に発生する嚢胞様黄斑浮腫の汎網膜機能障害を証明し、硝子体の病態が黄斑部疾患に関わっていることを証明した(AJO2003)。特発性黄斑円孔では中心窩の硝子体の接着強度によりその形成、進行過程が異なることを証明した(AJO2003)。硝子体手術による黄斑機能の回復を検討し、黄斑上膜(IOVS2003)、脈絡膜新生血管(IOVS2002)、糖尿病黄斑浮腫(Ophthalmic Res2003)、偽黄斑円孔(AJO2003)では主に網膜厚の変化による形態の改善がもたらす効果であることがわかった。一方、硝子体を網膜表面から完全に除去するための内境界膜剥離や全周網膜切開黄斑移動術などでは手術侵襲などにより形態と比べて機能回復は遅延し(Ophthalmology2003,IOVS2004)、虚血性疾患(糖尿病黄斑浮腫(IOVS2003)、未熟児網膜症など)では網膜機能回復に限界があることがわかった。そこで新しい治療法として臨床治験委員会の許可とともに書面による説明と患者の承諾を得て後部硝子体剥離のない糖尿病黄斑浮腫などに自己血清プラスミンを用いた硝子体手術を行い、後部硝子体網膜境界面でのプラスミンの効果を内境界膜の電子顕微鏡的所見で明らかにした(Ophthalmology2004)。 さらに加齢黄斑変性の脈絡膜新生血管抜去術の際に得られた血管膜から炎症反応の程度により病理学的分類を行った(本年眼炎症学会で報告予定)。一方、血管膜に付着する網膜色素上皮細胞の培養を組織工学講座の協力を得て行い、培養された細胞が網膜色素上皮の特性を持つことを確認した(報告準備中)。培養された網膜色素上皮は名古屋大学工学部の協力で磁性微粒子によりシート状になり、細胞移植への道が一歩近づいた(特許出願中)。
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