研究課題/領域番号 |
14370558
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研究機関 | 島根大学(医学部) |
研究代表者 |
橋本 龍樹 島根大学, 医学部, 助手 (90252907)
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研究分担者 |
宇田川 潤 島根大学, 医学部, 助手 (10284027)
八田 稔久 島根大学, 医学部, 助教授 (20238025)
大谷 浩 島根大学, 医学部, 教授 (20160533)
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キーワード | マウス胎児 / 水晶体 / アデノウイルス / レポーター遺伝子 / β-galactosidase / Xgal染色 / レトロウイルス |
研究概要 |
異所性に水晶体を誘導させるため、マウス胎児表皮外胚葉へ水晶体形成に関与している転写調節因子を導入する事を目的とした実験として、昨年度に引き続きレポーター遺伝子であるLacZを組み込んだ0.5μlアデノウイルス(1.3x10^<13> viral particles/ml)を、妊娠11日目から13日目の羊水中へ注入し、妊娠14日目に胎児を取り出し、大腸菌特有のβ-galactosidaseに対する抗体による免疫染色によって感染細胞を検出した。その結果、妊娠11日目に注入した胎児において、一部水晶体線維細胞に感染しており、妊娠12日目に注入した胎児においては水晶体と網膜の間にある間葉系の細胞の一部に感染していた。妊娠13日目に注入した胎児は眼球には感染していなかった。この事からウイルス注入時期は妊娠10日から11日目が適当と考えられた。次に、感染時期によって、感染する水晶体を構成する細胞が異なるのかを検討する為に、レポーター遺伝子であるLacZ組み込んだレトロウイルスを羊水中へ注入した。今回、注入時期を厳密にする為に、膣栓確認した日の12時を妊娠0.5日とし、レトロウイルス(1.0x10^5 colony forming unit)と100mg/ml poly-L-lysin混合液を妊娠10.0日と10.5日目に胎児を取り巻く羊水中へ注入し、妊娠14.5日と15.5日目に胎児を取り出し、同様に感染細胞を検出した。その結果、妊娠10.0日に注入した眼球において、多数の水晶体線維細胞と一部の水晶体上皮細胞、および一部の網膜色素上皮細胞が感染していた。妊娠10.5日に注入した胎児において、水晶体上皮細胞と水晶体線維細胞が多数感染しており、わずかな網膜色素上皮細胞が感染していた。これらの結果より、妊娠10.0日と10.5日のウイルス注入時期の違いによって、水晶体の分裂期にある細胞の割合が異なる為、感染した細胞群が異なったと推測できる。現在、水晶体形成に関わる転写調節因子遺伝子を組み込んだアデノウイルスを作成中である。
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