研究課題/領域番号 |
14370564
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
真島 行彦 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (40157186)
|
研究分担者 |
谷野 富彦 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50217147)
大竹 雄一郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30233159)
工藤 純 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80178003)
岩田 岳 東京医療センター, 内感覚器センター(仮称), 主任研究員
|
キーワード | ミオシリン / インベーダーアッセイ法 / RAO遺伝子 / プロモーター / 接着分子 / 遺伝子診断 / 緑内障 |
研究概要 |
緑内障の原因遺伝子ミオシリンを発現・精製して水晶発振子を用いて生体分子との相互作用を検証した。ミオシリンcDNAをpMIB昆虫発現用ベクターに挿入して昆虫細胞sf21にトランスフォームした。ベクターが組み込まれた細胞のみを選択して、浮遊培養を行った。培養液を3日おきに回収して、これを透析・濃縮してニッケルカラムによるアフィニティー・カラムさらにゲルろ過によって精製を行った。精製ミオシリンは水晶発振子上に固定され、反応チャンパー内で安定した後に、細胞内局在が同一であると考えられているコラーゲンタイプ4やファイブロネクチン等とのタンパク質間相互作用を測定した。ミオシリン・タンパク質を85%の純度で精製した。水晶発振子によってコラーゲンタイプ4やファイブロネクチンとの相互作用が確認された。昆虫細胞を用いることによりタンパク質の修飾が行われ、その結果分解産物がなく、水溶液に溶解できるミオシリンを発現できたと推測する。 緑内障遣伝子であるミオシリン(MYOC)、オプチニューリン(OPTN)の、チトクロームP4501B1(CYP1B1)において、日本人患者で報告された変異を簡単に検出する方法として、Invader法を用いる方法を開発した。Invader法はPCR法を使用せず、1塩基置換を多数検体において短時間で検出できる方法である。Invader法は、2セットの特異的なシグナルプローブ、インベーダーオリゴ、FRETプローブと2色の蛍光標識を用いて、同時に野生型と変異型1塩基置換を検出する方法である。今回。MYOC変異4種類、OPTN変異2種類、CYP1B1変異13種類のアッセイを検討した。通常のDNAチップ法はPCR法で目的の遺伝子領域を増幅するが、PCR法+DNAチップ法の測定精度は約90%とされているが、本法は99.7%の測定精度をもつ。さらにInvader法は迅速かつ容易に検出が可能である。Invader法は、既知の遺伝子変異を多数症例において簡便にかつ短時間にスクリーニング出来る方法と思われる。 AOC2(RAO)遺伝子の発現が角膜内皮に強く確認されたため、遣伝子導入実験を神経節細胞から培養マウス角膜内皮細胞を用いることが可能になった。マウスのプロモーター領域は1527bpsであるが、更にイントロン1を含むもの、5'上流の遺伝子エキソン11および3'領域を含む幾つかのコンストラクトを作成し、発現効率を調べた結果、イントロン1を含むものは抑制された。AOC2はAOC3(VAP1)とホモロジーが65%であり、接着分子としての機能の存在が推定された。N末端とC末端を部分発現させた結果、N末端が細胞膜貫通ドメインとして重要と思われた。
|