研究課題/領域番号 |
14370566
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
窪田 正幸 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50205150)
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研究分担者 |
八木 實 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10251802)
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キーワード | 磁気刺激 / 高頻度磁気刺激 / 大腸運動 / 仙骨神経 / ヒルシュスプルング病 / 直腸肛門奇形 / 慢性便秘 / Brain-Gut axis |
研究概要 |
磁気刺激法は、痛みを伴うことなく非侵襲的に脳・脊髄神経を刺激できる有用な神経生理学的手法で、小児に最適な客観的検査法として先進的に小児外科疾患とくにヒルシュスプルング病や直腸肛門奇形における陰部神経機能解析法としての有用性を明らかにしてきた。 これらの研究では単発磁気刺激法を用いてきたが、仙骨部磁気刺激により外肛門括約筋のtwitchを良好に誘発することはできるが、大腸運動に影響を及ぼすような強い刺激ではなかった。今回は、医療用認可されている高頻度磁気刺激装置(ダンテック社高頻度磁気刺激装置一式)用いて、仙骨神経を高頻度で長時間刺激することにより大腸運動を惹起させ、仙骨神経と大腸運動との機能連関を検討している。初年時は、高頻度磁気刺激装置の小児おける安全性と刺激条件の検討のために小動物(家兎、猫)を用いた検討を始めた。家兎と猫の両者を用いる理由は、in vitroにおける内肛門括約筋の検討では種による相違が存在し、猫はヒトに近い性質を有し、家兎はモルモットやラットに近い性状を有し、両者で陰部神経と大腸の機能連関において種による相違が存在する可能性があるからである。 仙骨部高頻度磁気刺激に対し、仙骨部神経支配筋群である下肢背側筋の強収縮が惹起され、有効な刺激であることが確認された。内測定法による肛門管部大腸運動を記録したが、最大10秒までの長時間刺激が可能な機器であるが、10秒間の最大刺激によって直腸部の収縮反応と内肛門括約筋の弛緩反応が確認された。猫においては排便活動を伴う場合が認められた。現在、排便誘発に必要な至適刺激条件の検索を行っている。刺激終了後、実験動物のケージ内の運動に変化は認められず、安全な刺激となっているものと考えられ、慢性実験にて安全性を組織学的に確認する予定である。
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