研究概要 |
1.口腔扁平上皮癌細胞株におけるデスモプラキンの発現 口腔扁平上皮癌細胞株HSC2,HSC3,HSC4,HO1myu1,HO1N1,Ca.922,SASおよびKBは、細胞内プラーク蛋白であるデスモプラキンを発現していること、またデスモプラキンの二つのアイソタイプのうち、デスモプラキン1の遺伝子には変異が無く、正常蛋白を発現することを明らかにした。さらに、HO1myu1,HO1N1,Ca.922およびSASではデスモプラキンがcell-cell contactに発現するが、HSC2,HSC3および、HSC4では細胞内に拡散していることを明らかにした。デスモプラキンはデスモプラキンと同種親和性に結合することから、細胞表層に発現するデスモプラキンは、ヒトリンパ管内皮細胞と口腔扁平上皮癌との接着に貢献する可能性が考えられた。 2.口腔扁平上皮癌細胞株におけるケモカインレセプターの発現 口腔扁平上皮癌細胞株HSC2,HSC3,HSC4,HO1myu1,HO1N1,Ca.922,SAS,KBはcys-X_3-cys chemikine ligand 1およびそのレセプターV28を発現することを明らかにした。現在、口腔扁平上皮癌のあるものがV28依存性リンパ管転移機構を有する可能性について検索している。 3.ヒト組織内微小リンパ管におけるCCL21、TLR2およびTLR4の発現 ヒト毛細リンパ管内皮細胞がCCL21、TLR2およびTLR4を発現する可能性を見いだした(kuroshimaら、2004)。現在、変異TLR4遺伝子をトランスフェクションしたリンパ管内皮細胞におけるケモカイン発現の変化を検索している。
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