研究課題/領域番号 |
14370579
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
土田 信夫 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60089951)
|
研究分担者 |
中島 琢磨 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90256678)
小村 健 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10334434)
天笠 光雄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00014332)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
キーワード | 口腔癌 / ERK / EGFR / Naf1 / 変異 / microarray / シグナル伝達 / Snt2 |
研究概要 |
口腔扁平上皮癌細胞株のおける細胞増殖シグナル伝達・異常の解明のための研究を行い、以下の結果を得た。(1)HSC6癌細胞株のERK2遺伝子にヒトでしかも癌細胞で始めて変異を見い出した。変異はCDドメインのグルタミシ酸からリジンへのcharge変化を伴う変異でショウジョウバエで見つかった同様の位置のsevenless変異蛋白のように電気泳動移動度が早く、MKP1による脱リン酸化を受けにくい可能性がった。HSC6を含むERKが構成的に活性化している細胞株についてさらに解析を進めたところEGFR増幅の3株でERK、AKTのシグナル伝達に必要なEGFRの845,1068番目アミノ酸のリン酸化がEGFで強く活性化されてまたdown regulationを受けにくかった。また別の1株ではERKが活性化されてもMKP1/2の発現誘導の検出ができなかった。これらの要因がERKの構成的活性化に寄与したと考えた。(2)ERK2をbaitして酵母TWO HYBRID系で得たNaf1はERKでリン酸化されるがEGFからのERK活性化をattenuateした。さらにG2/M期で過リン酸化されること、C-末端側の変異体がアポトーシス誘導を促進した。一方SNT2はin vitroとin vivoでのERK2との結合を確認した、Naf1同様、活性化ERK核へのシグナル伝達を負に制御し、Grb2結合に関与するアミノ酸186-252の領域がERKとの結合に関することを明らかにした。(3)15症例の口腔癌組織のERKのリン酸化レベルと予後因子としてのTMN分類とに相関はなかったが、組織組織学的分化度とに相関があった。(4)各種口腔癌細胞株のうち感受性と低感受性株間でのmRNAへの発現の違いをmicroarray解析した。35の薬剤耐性遺伝子の発現に違いはなかったが2つのetoposide誘導遺伝子で発現レベルと感受性に弱い相関がみられた。なおAKTのリン酵化はEGFで刺激後高レベルでしかも構成的に発現する細胞株が過半数以上で検出されたがetoposide感受性との関連は見い出されなかった。(5)インドの口腔癌で癌抑制関連遺伝子プロモーターが過メチル化されていたが正常組織では無く癌の診断マーカーになる可能性がある。
|