研究課題/領域番号 |
14370580
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
前田 健康 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40183941)
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研究分担者 |
河野 芳朗 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60303129)
網塚 憲生 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30242431)
山田 好秋 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80115089)
山村 健介 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90272822)
井上 佳世子 (野澤 佳世子) 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90303130)
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キーワード | ルフィニ神経終末 / BDNF / ノックアウトマウス / 発育 / 神経栄養因子 / 再生 / 画像解析 |
研究概要 |
本研究はBDNF遺伝子欠損(ホモ型、ヘテロ型)マウスおよび野生型マウスを用い、歯根膜ルフィニ神経終末の発達について免疫組織化学的に検討した。 生後1週間目のPGP9.5免疫陽性神経線維は、すべての遺伝子型のマウス歯根膜において同様の分布、終末形態を示した。この段階では、神経線維は数珠状に連なり、ルフィニ神経終末の形態は示さなかった。野生型とヘテロ型における神経密度に差は認められなかったが、ホモ型の神経密度は低い値を示した。 生後2週間では、全ての遺伝子型マウスにおいて、前段階に比べ神経分布密度は上昇していた。しかしながら、この時期には、特徴的なルフィニ神経終末は観察されなかった。ホモ型マウスは野生型・ヘテロ型に比べ、低い神経密度を示した。 生後3週間までに野生型とヘテロ型マウスでは、ルフィニ神経終末は膨隆した軸索終末の複雑な分岐を示した。野生型のルフィニ神経終末は外形の不規則な終末と平滑な終末からなるが、ヘテロ型マウスのルフィニ神経終末では、平滑な外形を示す神経終末のみだった。ホモ型マウスでは、ほとんどルフィニ神経終末を観察することはできなかった。 生後8週間では、野生型とヘテロ型のマウスの歯根膜では、密な神経分布が認められたが、ヘテロ型マウスの神経密度は野生型のものに比べより低かった。さらに、野生型マウスの歯根膜では、樹枝状に分岐し、多数の突起を有する終末と表面が平滑な終末を持つが、ヘテロ型マウスでは、後者のものの出現はかなり稀であった。 本研究の結果から、生後発達期、特にルフィニ神経終末の成熟にBDNFが関与している可能性が示された。さらに、ホモ型マウス歯根膜においても神経線維が存在していたことから、発達や初期の成熟段階に他の神経栄養因子が役割を果たしていることも示唆された。
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