研究課題/領域番号 |
14370583
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高田 隆 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10154783)
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研究分担者 |
佐藤 淳 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (70335660)
工藤 保誠 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50314753)
宮内 睦美 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (50169265)
松田 尚樹 長崎大学, アイソトープセンター, 教授 (00304973)
小川 郁子 広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70136092)
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キーワード | エナメルタンパク / アメロブラスチン / 歯周組織 / 組織再生 / ペプチド / 歯周靭帯細胞 / 骨芽細胞 / 石灰化 |
研究概要 |
歯周組織再生療法として注目されているエナメル蛋白の生物活性を示す蛋白の種類や活性部位の同定ならびに同活性部位の合成ペプチドによる新しい歯周組織再生療法剤開発の可能性を検討するため、申請書にある計画にそって研究を遂行した結果、本年度は以下の成果を得た。 1.活性を示すエナメル蛋白活性化部位の絞り込み 14年度の検討によって,歯周組織再生に関与することの推定されたアメロブラスチンのN端とC端の合成ペプチドの歯周細胞に対する影響を検討した結果、N端の16ポリペプチド部分に歯根膜細胞、骨芽細胞、骨髄間葉系細胞の分化を促進する活性のあることが明らかとなった。その活性はピコグラム濃度から濃度依存性であり、骨髄間葉系細胞に対するアルカリフォスファターゼ活性促進能はBMPより強かった。 2.合成ペプチドの生物活性に関与するシグナル伝達系の同定 14年度の検討で示唆されたRTK-ERK1/2シグナル伝達系をはじめSmad、JNK、p38などN端合成ペプチドに対する代表的シグナル伝達系の動きを検討したが、いずれも著明な変化を示さなかった。 3.合成ペプチドに対するレセプターの同定 N端合成ペプチド・フラッグ融合組換え蛋白を作成し,免疫沈降により合成ペプチドと相互作用する蛋白の回収を試みたが、組替え蛋白の作成に手間取り、本検討は16年度に繰り延べとなった。 4.合成ペプチドの組織再生促進作用に関する予備的動物実験 ラットの歯周欠損モデルにN端合成ペプチドを貼付したところ、セメント質の再生促進効果があることが認められた。 以上の結果を国際歯科研究学会ならびにアメリカ歯周病学会に発表するとともに、特許の出願をした。
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