研究課題/領域番号 |
14370585
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中山 浩次 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80150473)
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研究分担者 |
大原 直也 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (70223930)
内藤 真理子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20244072)
庄子 幹郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10336175)
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キーワード | 歯周病 / 口腔嫌気性細菌 / 環境因子 / タンパク発現 |
研究概要 |
歯周病原細菌ポルフィロモナスジンジバリスが対数増殖期から静止期に入ると発現が増加するタンパクであるUstA(SipAを改名)について解析を行っている。今年度はustA変異株でみられた酸化ストレス応答タンパク(Tpx,TrxA,Sodなど)の発現量の増加がustA変異に伴うものであるかどうかについて野生型のustA遺伝子を変異株に導入した相補株を作製して検討した。その結果、相補株ではほぼ野生株並の発現量に復帰したことからこれらの現象がustA変異によるものであることがあきらかとなった。 ポルフィロモナスジンジバリスは培養液中で自己溶解を引き起こす。この自己融解を分子レベルで詳細に検討するため、2次元ゲル電気泳動法にて解析した。培養開始後、2日目にはOD600nmが2.0に達したのち、7日目には1.0、14日目には0.1レベルに低下した。この培養液の濁度の低下は菌体表面および分泌プロテアーゼの欠損株では顕著に抑制されることから菌体外プロテアーゼによる溶菌が原因であることが示唆された。培養上清中のタンパクを2次元ゲル電気泳動法にて展開し、各タンパクスポットを切り出し、N末端アミノ酸配列を決定した。その結果、Rgpプロテアーゼ、Hgp17アドヘジン、Hgp15アドヘジン、FimA線毛タンパク、NAD特異的グルタミン酸脱水素酵素が7日目以降、顕著に増加することがわかった。Hgp17アドヘジンとHgp15アドヘジンはRgpプロテアーゼをコードするrgpA遺伝子やkgp、hagA遺伝子から産生されるタンパクであり、これらの遺伝子産物が遺伝子を同一にするプロテアーゼ/アドヘジンドメインタンパクである点は注目される。
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