研究概要 |
1.ラット形成期下顎の発生・形成過程におけるAJ-18,Cbfa1/Pebp2_A(Cbfa1),type1 collagenおよび非コラーゲン性タンパク(NCP)の遣伝子発現 osteoblast/osteocyte factor45(OF45)の発現は,type I collagenや他のNCPの発現と比較すると,約2日間ほど遅れて胎生17日齢(E17)に発現し,dentin matrix protein 1(Dmp1)と同様に成熟骨芽細胞に限局して発現し,未熟な骨芽細胞には欠如していた。さらに,OF45とDmp1の発現は,骨細胞の出現とともに,骨細胞と成熟骨芽細胞に限局していた。また,骨細胞におけるOF45およびDmp1の発現は,他のNCPの発現と異なり,生後90日齢まで継続していたことから,OF45は骨細胞の機能の発現に密接に関与するタンパクであると考えられた。現在,転写因子の発現を検討中である。 2.in vitroでのラット頭蓋冠由来骨芽細胞様初代培養細胞(fetal rat calvarial cells, FRCC)におけるAJ-18およびCbfa1遣伝子発現 FRCCにdcxamethasone(Dex)非添加または添加して骨芽細胞分化にともなう,Cbfa1,AJ-18および骨基質タンパクの発現時期をNorthern blot法を用いて比較・検討した。さらに骨芽細胞分化に関連する新たな転写因子Osterix(Osx)の存在がごく最近報告されたことから,この転写因子の発現もあわせて比較・検討した。その結果,FRCCにおけるalkaline phosphatase, osteonectinおよびosteopontinはCbfa1およびAJ-18の発現と,またbone sialoprotein, osteocalcinおよびDmp1はOsxの発現に関連して発現することがわかった。さらに,OF45はin vivoの所見と同様に他のタンパクと比べると最も発現が遅延し,成熟度の高い骨芽細胞に発現していることを確認できた。
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