研究分担者 |
柴田 恭明 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80253673)
藤田 修一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00181355)
山口 朗 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00142430)
根本 孝幸 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90164665)
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研究概要 |
歯牙形成を制御機構する遺伝子を網羅的に解析、同定するため、本研究では胎児マウス顔面骨からレトロウィルス系のcDNAライブラリーを作製し、発現スクリーングを行った。これをC3H10T1/2細胞に遺伝子導入し、G418により安定発現株を作製した。そしてBMP-2やデキサメサゾン等で骨芽細胞に分化誘導させた際に、アルカリフォスファターゼ活性を亢進させる遺伝子としてNotch1を同定した。Notch1はマウス大腿骨に作製した骨欠損部の修復過程でも発現しており、そのリガンドであるDelta1,Jagged1とともに免疫染色で発現分布を検討すると、いずれも骨欠損作製5日後に集積した未分化間葉系細胞に強く発現し、共焦点顕微鏡で共発現が確認された。そこで骨芽細胞の細胞分化に及ぼす影響をC3H10T1/2,MC3T3-E1,C2C12等の細胞を用いて検討した。野生型Notch1とその活性型細胞内ドメイン、Delta1,Jagged1を一過性過剰発現させると、培養細胞のBMP-2によるALP活性の上昇を増強した。Real-time PCRによる検討でALP以外にもosteocalcin,osterix,runx2等の発現も同様に増強させた。Delta1-,Jagged1-Fcリコンビナント蛋白をprecoatした場合にも同様な結果が得られた。一方、インヒビターや、ドミナントネガティブ型の細胞外Notch1の過剰発現、あるいはNotch1 siRNA等を用いた場合は、BMP-2によるこれら因子の発現や酵素活性は抑制された。現在Notch1の作用メカニズムを特にBMP-2シグナル伝達経路とのクロストークの観点から解析中である。
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