研究課題/領域番号 |
14370606
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中村 卓 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30172406)
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研究分担者 |
米津 康一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (70167039)
田代 茂樹 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20300882)
角 美佐 長崎大学, 歯学部附属病院, 講師 (90284702)
子守 嘉文 大阪大学, 医学部, 助手 (00252677)
山口 朗 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00142430)
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キーワード | MRI / 高分解能 / マウス / 胎児 / 軟骨 / 成長 / 骨形成異常 |
研究概要 |
9.4T超高解像度MR画像診断装置(9.4T MRI)を用いて正常マウスならびに骨形成異常マウス(Runx2/Cbfa1^<-/->)胎児長管骨(大腿骨ならびに脛骨)の画像化を行った。その結果現時点までに下記の知見を得た。 1)in vivoにおいて9.4T MRIは正常の大腿骨ならびに脛骨の発達を画像化することができた。また、これらの骨は胎生14.5日から9.4T MRIによりその存在を確認することできた。 2)9.4T MRIは長管骨の成長軟骨、第1次骨梁、骨皮質およびbone collarの成長による組織学的変化を適格に画像化できることを確認した。特に軟骨細胞の分化と周囲軟骨基質の石灰化はMRIによりよく捉えることができた。 3)ex vivoにおける撮像ではin vivoに比べるとその解像度があがり、より微細な解剖構造の変化を捉えることができた。 4)9.4T MRIはRunx2/Cbfa1^<-/->マウスの胎児の大腿骨ならびに頸骨の骨形成異常も敏感に捉える能力があることがわかった。 5)さらに興味深いことに、組織像上はヘテロのRunx2/Cbfa1欠損マウス(Runx2/Cbfa1^<-/->)は正常マウスと何ら違いが認められないにも拘わらず、9.4T MRI画像上ではこの2つのマウスの骨の形成には明らかに相違があることが判明した。従って、9.4T MRIは通常の組織学的検査では捉えることのできない質的変化をも明らかにすることができると思われる。 以上の結果より,9.4T MRIは胎児マウスでの長管骨の成長の把握に有用であると考えられた。 次年度においては他の骨(例えば頭蓋骨や脛骨)などにもこの方法を応用し、9.4T MRIの有用性をさらに確認する予定である。
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