研究分担者 |
草間 薫 明海大学, 歯学部, 教授 (20130479)
藤澤 盛一郎 明海大学, 歯学部, 教授 (40014162)
吉田 隆志 岡山大学, 薬学部, 教授 (20025696)
三巻 祥浩 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (90229790)
河瀬 雅美 城西大学, 薬学部, 講師 (20112641)
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研究概要 |
タンニン類、フラボノイド類、クマリン類、などの植物性ポリフェノールや、テルペン類、抗腫瘍性抗生物質、合成有機化合物など374種類の化合物の腫瘍選択的な細胞傷害活性を調べた。腫瘍選択係数(TS)は、ヒト正常細胞(歯肉細胞、歯髄細胞、歯根膜細胞)に対する50%傷害濃度(CC_<50>)を、ヒト癌細胞(口腔扁平上皮癌細胞、唾液腺腫瘍細胞、前骨髄性白血病細胞)に対するCC_<50>で割り、細胞数で補正して計算した。その結果、以下のことが判明した。Flavones, flavonols(3-hydroxyflavones), isoprenoid-substituted flavonoids, benzophenones, xanthones, anthraquinones, phenylbutanone glucoside, stilbene glucoside, isoflavones, isoflavanones, stilbenes(TS=0.3-31.7), coumarin derivatives(TS=1.0->11.0), procyanidines and flavonoids(TS=1.0->7.4), hydrolysable tannins(TS=1.0-8.2), triterpene aglycones and glycosides(TS=0.65->2.8), cycloartane glycosides and chromones(TS=0.7-1.4), furostaol glycosides(TS=0.4->17.0), α,β-unsaturated ketones(TS=0.6-1.9), hydroxyketones(TS=1.0->17.6), β-diketones(TS=0.3-6.3), stylrylchromones(TS=1.4-27.3), dihydroisoxazole and isoxazole derivatives(TS=0.9-1.6)は、中程度の腫瘍選択性を示した。他方、doxorubicin(TS=255.0), nocobactin NA-a,-b(TS=80.0,43.9)は、非常に高い腫瘍選択性を示した。これは、薬剤排出ポンプmdr1の発現だけで説明できなかった。腫瘍選択性と、アポトーシス誘導能との間には、相関関係は存在しなかった。細胞死の種類やメカニズムを解明する前に、腫瘍選択性を評価し、構造上の特徴を明らかにする必要性が示唆された。
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