研究課題/領域番号 |
14370612
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小松 正志 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10005069)
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研究分担者 |
笹崎 弘己 東北大学, 大学病院, 講師 (90133991)
遠藤 達雄 東北大学, 大学病院, 講師 (20168826)
樋口 繁仁 東北大学, 大学病院, 助手 (10291262)
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キーワード | コーピング / キャスタブル・セラミックインレー / キャプテックP / キャプテックG / 焼成セラミックインレー / セラミック・インゴット / 加圧鋳造法 / IPSエンプレス |
研究概要 |
キャスタブルセラミックインレーは適合性には優れているものの、強度的な問題があり、破折等が見られる場合が生じていた。本研究ではインレー体底面を貴金属薄膜でコーピングし、溶融一体強化されたフレームを有するインレーの製作を試み、機械的強度、適合精度を測定し、接合界面の観察を行い、コーピングの効果について検討した。 専用模型材上でコーピングを行い、1075℃で4分焼成し、貴金属薄膜のコーピング層を作成した。次いでVintage Halo(松風)をメーカーの指示通り築盛、焼成し焼成試験片を作成した。また、コーピング層上にワックスアップを行い、埋没、焼尽後、IPSエンプレスIを真空下5気圧で加圧・注入し、コーピング強化キャスタブルセラミックインレー体を製作した。 3点曲げ強さ(MPa)は、Vintage Haloで82.9±3.0、コーピング処理Vintage Haloで149.6±13.0、エンプレス1で151.4±5.7、コーピング処理エンプレス1で200.5±24.5であった。いずれも有意差が有り、コーピング処理により3点曲げ強さは大きくなり、強化されていることが明らかとなった。 マイクロビッカース硬度計の圧痕より算出した破壊靱性値(MNm^<-3/2>)はVintage Haloで1.14±0.12、コーピング処理Vintage Haloで0.90±0.08、エンプレスIで1.39±0.15、コーピング処理エンプレスIで1.57±0.06であった。焼成法のVintage Haloではコーピング強化が認められなかったが、エンプレスIでは補強効果が認められた。MODセラミックインレーのメラミン歯窩洞に対する適合精度は、セメント厚さがコーピングを行わないものが34〜152μmだったのに対し、コーピングを行ったものでは32〜424μmと厚くなっており、適合精度の劣化が観察された。 SEM及びEPMAによる接合界面の観察分析から、Captekとセラミックス接合界面には機械的接合が形成されており、ギャップは認められなかった。
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