研究課題/領域番号 |
14370618
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹重 文雄 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (60206969)
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研究分担者 |
木ノ本 喜史 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (10252694)
林 美加子 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40271027)
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キーワード | 疲労亀裂進展試験 / 審美的インレー / セラミッックインレー / 辺縁劣化 / フラクトグラフィ / セメントライン |
研究概要 |
昨年度までの研究で、in vivoでのセメントラインの劣化が3つのステージからなること、また、そのフラクトグラフィ解析から、in vivoでの経時的辺縁劣化を定量的かつ形態的に再現したin vitro劣化試験法を確立でき、セメントラインの幅が100μmでは200μm以上の場合に比べて、劣化が有意に少ないこと、さらに第3ステージではセメントライン幅と相関して辺縁劣化が激しくなる傾向を示した。そこで本年はin vitro劣化試験の結果を踏まえ、再度in vivoでのセメントライン劣化のメカニズムをフラクトグラフィにて解析するとともに、臨床的なセメントラインの劣化の検知法、とくに探針の先端径や拡大鏡を用いた臨床評価の有効性について検討した。その結果、第3ステージではインレー辺縁に存在する微少亀裂が急速に成長し、辺縁破折、セメントライン上部の拡大、急速な辺縁劣化をきたすことが示された。また、探針でのセメントラインの検査では、先端径の大きさ(120μm〜500μm)が水平ギャップ幅の検知に有意に影響を与え、170μm〜200μmの先端径の探針を用いることで、目標とする100μm前後のセメントラインをmodified USPHS criteriaのAlfaとBravoの判定境界とすることができることが示唆された。しかしながら、垂直ギャップ幅の検知には先端径は影響を与えず、さらに、探針の診査に拡大鏡など視覚的な検査を併用しても判定境界に影響を及ぼさなかった。 以上の結果より、装着前のインレー辺縁に極力flowやmicro crackを生じさせないように注意を払うことや、ギャップ幅が100μm以下のセメントラインを実現すること、さらに、装着後の劣化の検知、例えばセメントライン上部のギャップ幅の変化を、辺縁劣化が緩やかな第2ステージまでに、適切な先端径の探針にて早期に検知することが有効であることが示唆された。
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