既存の根管切削トルク測定装置に、各種試験モードでの測定、記録、分析が可能となるようプログラムの組み込みを行った。エンジン用の各種歯科用切削器具を用い、規格化根管模型や歯質類似の被切削材に対して、切削条件を設定し切削試験を行うことにより切削トルクを測定し、器具の形態や大きさ、材質、使用時の回転数や押し込み速度、使用回数などと切削トルクとの関係を分析した。 その結果、根管用のエンジンリーマーでは、器具の回転数と押し込み速度のバランスが安全、かつ効率的な切削に重要であることが明らかとなり、これには器具の切削性と寸法性とが密接に関与することが推測された。またピーソーリーマーなどの根管口拡大器具では、エンジンリーマーと同様に器具の回転数と押し込み速度が切削に大きく関与するはか、器具の先端形態や刃部の断面形態の違いが切削に影響を及ぼしていることが認められた。さらにスチール製のラウンドバーでは、切削トルクはバーの大きさと切削回数によって影響を受け、トルクの増大は器具の損耗による切れ味の低下に起因することが明らかとなった。 なお、現在、ニッケルチタンやステンレススチール製の各種エンジン用根管拡大形成器具の切削条件の違いによる切削データ甲分析を試みており、エンジン用の根管拡大形成器具の安全、効率的な使用基準、使用法の確立を目指し検討を行っている
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