研究分担者 |
依田 正信 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (70005073)
菅野 太郎 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (30302160)
奥野 攻 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50014080)
菊地 聖史 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50250791)
林 栄成 東北大学, 病院・助手 (60375102)
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研究概要 |
白金鉄系磁石合金と磁性ステンレス綱をCAD/CAMを用いて補綴物を製作するためには,両合金の切削性を検討しなければならないが,切削性試験は実験条件の設定が非常に難しい問題がある.そこで,切削試験の前に両合金の研削試験を行うこととした.研削は狭義では切削と異なるが,切削のメカニズムを知る上で研削性を明らかにすることは非常に重要である. また白金鉄系磁石合金に関しては,補綴物を製作し形態修正・咬合調整が終わった後に着磁をすることより永久磁石としての優れた性質を有することになるが,この着磁の方法により白金鉄系磁石合金の磁気特性が左右されることがわかった.したがって,白金鉄系磁石合金を臨床応用する際には,臨床形態に左右されない着磁方法の解明が必要である. 両合金の研削性について検討した結果 1.白金鉄系磁石合金の研削性はコバルトクロム合金より優れ、12%金銀パラジウム合金や白金加金合金と同程度であった. 2.磁性ステンレス鋼の切削性は、低速においては従来の歯科鋳造用合金より優れており、白金鉄系磁石合金と比較しても低速において優れた切削性を示した. また、4極着磁による三次元磁場解析を行った結果、以下のことが明らかとなった。 1.外冠上面の厚み、ショルダー幅、内冠上面の厚みの中で、吸引力に最も影響があるのは外冠上面の厚みであり、上面の厚みが1.0mm以上あればクラウン・ブリッジの維持に十分な吸引力が得られた。 2.外冠モデル上面の厚みがあるほど、内冠モデルとの吸着面付近の要素が飽和しており、良好な吸引力が得られた。 3.空間漏洩磁束に関して、全てのモデルにおいて、安全基準以下の値が得られ、歯科臨床への応用の可能性が示唆された。
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