研究分担者 |
渡辺 誠 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80091768)
稲井 哲司 東北大学, 歯学部附属病院, 講師 (60193538)
佐々木 啓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30178644)
山口 慶一郎 東北大学, サイクロトロンラジオアイソトープセンター, 助手 (40210356)
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研究概要 |
歯科補綴治療においては,インプラントへの負担過重を避けるため補綴装置を介してインプラントに加わる力をいかに制御し,生体機能と調和させるかが重要であるが,この視点から行なわれた基礎的研究は少ない.「歯根膜が存在しないインプラントにおいては,オッセオインテグレートしたインプラント体の周囲の骨は骨芽細胞および破骨細胞によってバイオロジカルに制御されている.」また,「力学的負荷時に,はたしてインプラントは骨内で全く移動する.」本研究ではこの仮説を検証するために核医学イメージングを利用した手法(骨シンチグラフィ)を用いて,力学的負荷におけるインプラント周囲骨の改造機転を骨代謝から定量的に観察した.これより,インプラント上部構造へ力学的負荷が加えられた時のインプラント周囲骨組織の経時的変化を捉えた. まず,骨シンチグラフィを本実験に応用できるように,実験装置を開発し予備実験を行った.まず,決められた方向のガンマ線だけを検出器に入射させる直径2mmのピンホールコリメータを開発した.通常のものより直径を1/3に減少させることにより,小動物への応用が可能となり分解能が優れたシンチグラムを得ることができた.また,骨シンチグラフィを用いてインプラント周囲骨の放射活性の経時的に観察したところ,埋入後7日から12日付近でピークを迎え,5週間で1日後の値とほぼ同等になった.すなわち,実験動物におけるインテグレーションの時期(5週間),すなわち骨代謝活性の変化を把握できた. クローズドコイルスプリングを装着し荷重を加えたことによるインプラント埋入付近の骨代謝の変化を観察したところ,放射活性は荷重の大きさによって異なっていた.
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