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2002 年度 実績報告書

咬合咀嚼刺激による高齢者の知的機能回復の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14370630
研究機関岐阜大学

研究代表者

小野塚 実  岐阜大学, 医学部, 助教授 (90084780)

研究分担者 藤原 周  朝日大学, 歯学部, 助教授 (50229069)
渡邊 和子  岐阜大学, 医学部, 講師 (40158621)
藤田 雅文  岐阜大学, 医学部, 講師 (50021449)
久保 金弥  朝日大学, 歯学部, 講師 (00329492)
キーワード痴呆 / 咬合 / 咀嚼 / fMRI / 大脳皮質 / 海馬 / 学習・記憶 / 高齢者歯科学
研究概要

世界に類をみないスピードで迎えようとしている高齢社会において、活力ある社会を保ち続けるためには高齢者が健康で生きがいをもって生活できるようにすることは重要である。特に痴呆は療養が長期にわたるため医療経済や介護をふくみ深刻な問題であり、高齢者の痴呆疾患の先送り方法の開発あるいはその予防対策は緊急を要する。本研究では、高齢者の痴呆症状の軽減との予防方法の探究を目的として、脳の高次精神機能に及ぼす咬合咀噛刺激(chewing)の影響を磁気共鳴機能画像(functional magnetic resonance imaging, fMRI)法と行動学的手法を用いて検討した。対象は健康なヒトのボランティアのうち、20才代(若齢者)と60才以上(高齢者)の2群とした。その結果、以下の成績を得た。
1.fMRI法を用いて咬合咀噛刺激で誘発される脳活動の変化を解析したところ、皮質運動野、体性感覚野、補足運動野、島、小脳の神経活動の増強が有意に認められた。また、咬合咀嚼刺激を上昇させると、これらの領域の活動がより顕著になり、新たに連合野(頭頂部、前頭部、側頭部)が賦活されることが明らかになった。
2.同様の方法で、各種年齢層の海馬活性に対する咬合刺激の影響を検索した。その結果、記憶形成の主役である海馬の神経活動は咬合刺激によって増強され、その程度は高齢者で著しいことが判明した。
3.咬合咀嚼刺激によって近時記憶の向上が高齢者で見られた。しかし若齢者では咬合咀嚼刺激の影響はほとんど認められなかった。
以上のことから、咬合刺激は高齢者の記憶獲得、あるいはその維持に有用であり、痴呆性老人では経口摂取を確保することがきわめて重要であることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 小野塚実, 藤田雅文, 渡邊和子他4名: "Mapping brain region activity during chewing : A functional magnetic resonance imaging study"Journal of Dental Research. 81(11). 743-746 (2002)

  • [文献書誌] 小野塚実, 渡邊和子, 藤田雅文, 斎藤滋: "噛んでボケは予防できるか:咀嚼機能不全と脳の高次精神機能"日本咀嚼学会誌. 11(2). 109-116 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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