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2003 年度 実績報告書

咬合咀嚼刺激による高齢者の知的機能回復の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14370630
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

小野塚 実  神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (90084780)

研究分担者 渡邊 和子  岐阜大学, 医学部, 講師 (40158621)
藤田 雅文  岐阜大学, 医学部, 講師 (50021449)
西山 勝弘  神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (20084783)
キーワード痴呆 / 咬合 / 咀嚼 / fMRI / 海馬 / 神経ネットワーク / 記憶
研究概要

高齢化に伴い、健康寿命の延長(寝たきり老人の減少や痴呆進行の遅延)が日本はもとより世界的な大きな社会問題として取り上げられている。近年口腔機能と痴呆の関連性が歯科臨床の現場で指摘されるようになり、とくに咬合咀嚼と高齢者の知的機能が注目されている。そこで本研究では、申請者らが磁気共鳴機能画像(fMRI)法を用いてこれまで進めてきた研究をもとに、fMRI法を駆使し高齢ボランティアの空間認知とその機能を担う海馬の活動レベルを咬合咀嚼刺激により上昇させることを神経科学的に解明することを目的としている。
今年度はfMRI法を用い記憶タスクにリンクした海馬の賦活状態のマッピングとその定量分析を行い、これに対する義歯装着の効果を抽出した結果、以下の成績を得た。
1.高齢者ボランティアが違和感として感じなく、歯科学的にも適正な義歯を装着したときと、装着しないときにchewingを行い、両者における海馬の神経活動の増強程度を比較したところ、海馬活動は義歯装着の方が装着しない場合より有意に高かった。また増強された海馬体積も義歯装着の場合が大きく、義歯を装着することにより、海馬の単位体積あたりの発火ニューロン数の増加と海馬の神経ネットワークが拡大されることが明らかになった。
2.1でのボランティアにおいて、義歯装着時と装着しない時での想記テストを比較した。その結果、義歯を装着した際の方が高い正答率を示し、義歯装着によって短期記憶あるいは近似記憶が増強されることが確認できた。
以上のことから、咬合咀嚼刺激は高齢者の記憶獲得、あるいはその維持に有用であることが神経科学的に解明された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 藤田雅文, 渡邊和子, 小野塚実: "咀嚼と痴呆"Bone. 17. 375-380 (2003)

  • [文献書誌] Onozuka M et al.: "Age-related changes in brain regional activity during chewing : a functional magnetic resonance imaging study"Journal of Dental Research. 82. 657-660 (2003)

  • [文献書誌] Onozuka M et al.: "Mapping brain region activity during chewing : a functional magnetic resonance imaging study"Journal of Dental Research. 81. 743-746 (2002)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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