研究分担者 |
寺野 元博 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90264259)
南 二郎 長崎大学, 歯学部付属病院, 助手 (80304955)
山邉 芳久 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (90191379)
金岡 利佳 長崎大学, 歯学部付属病院, 助手 (50336179)
中村 茂 長崎大学, 歯学部付属病院, 助手 (90227900)
|
研究概要 |
平成14年度は研究期間の初年度に当たり,本実験の準備と実験方法の確度を補強するため情報収集およぴ口腔内に混在する有機酸の平均濃度比を再現した試験溶液の調整と浸漬試験用金属試料の作成作業を進めて,現在予備実験が進行中である。 情報の収集は,主に口腔内環境すなわち常在細菌と唾液含有成分および金属修復物変色の関係するもので,さらに採取後のヒト安静時唾液に含まれる有機酸の経時的変化を把握する必要から,口腔内金属修復物の変色や安静時唾液に関する情報の収集・整理にも努めた。 また,歯科用生体材料アレルギーに関連して,長期間使用した義歯から抽出したアレルギー原因物質とされる化学物質の定性分析を実施した。その結果,使用年数が5年未満の義歯から溶出するform aldehyde, methyl metharylate, ethyleneglycol dimethacrylate, hydroquinone, benzoyl peroxideの量は新製義歯に比べて大きな差がないことが分かった。しかし、過酸化ベンゾイルの分解産物である安息香酸の溶出量は,使用5年経過義歯で2.84±0.89mg/gと新製義歯の当該値(1.80±0.34mg/g)よりも高く,同10年を経過しても減ることはなかった(2.66±0.64mg/g)。これらは,従来明確な説明が困難とされていた長期使用義歯による床用材料アレルギーの発現に有力な学術的示唆を与えるもので,現在その結果を整理中である。
|