研究分担者 |
山邉 芳久 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (90191379)
寺野 元博 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90264259)
中村 茂 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90227900)
金岡 利佳 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50336179)
小池 麻里 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00234667)
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研究概要 |
研究目的:本研究の主目的は、ヒト全唾液に含まれる有機酸および混合有機酸溶液を用いて歯科用金属材料の浸漬試験を行い、生体材料の安全性の検討や歯科材料アレルギーの臨床に係わる関連情報を集積することであった。 以下の結果は、歯科材料アレルギーの臨床および溶出試験法の検討に有用な示唆を与えると考えた。 1.安静時全唾液から、リン酸(1.66)、クエン酸(2.85)、ピルビン酸(0.06)、リンゴ酸(0.03)、コハク酸、乳酸、ギ酸、酢酸、およびプロピオン酸(1.66,2.85,0.06,0.03,0.02,0.43,0.23,1.71,0.14μmol/ml)を検出した。 2.81化粧品の60製品(74%)および50家庭用品の39製品(78%)から金属元素を検出している。化粧品のうち,髪染,メークアップ,口唇,爪化粧品などの金属元素検出率は100%で,検出率が最も低い化粧品は基礎化粧品(13%)であった。家庭用品で金属含有率が100%の製品はクリーナー(スポンジ),市販布巾,ブラシ,クリーニングパッド,ゴム手袋などで,検出率が最も低かったのは消臭剤の40%であった。また,化粧品にはSi(65%),Fe(56%),Ti(51%),K(49%),Ca(44%),Al(41%),Zn(30%)を,家庭用品にはCa(70%),Fe(42%),Si(34%),Ti(34%)を含む製品が多かった。 3.いわゆる純チタン試料を128mMのギ酸およびシュウ酸溶液に3週間浸漬して測定したTi溶出量は、それぞれ0.0009/cm^2および0.0262mg/cm^2で、後者では浸漬後の試料の表面あれを肉眼で観察できた。チタン浸漬後試料表面の酸化チタン層は,ギ酸浸漬試料の方が厚かった。 4.歯科用金合金試料(TypeIV)および金銀パラジュウム合金を3週間浸漬した混合有機酸溶液(7.13mmol/l)から、ICP-MSの検出限界を超える微量のPtおよびPdが検出された。
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