研究分担者 |
南 弘之 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50244257)
門川 明彦 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00169533)
鬼塚 雅 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80038877)
梶原 浩忠 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20274855)
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研究概要 |
高強度接着システムの構築には,凝集強度に優れた接着材層や被着体の存在とともに,接着界面の強度向上も不可欠である.初年度の検討では,MDPプライマー処理を施した高Cr含有(32wt%)Co-Cr合金を被着体として,メタルエポキシ樹脂やフェノールコンパウンド樹脂を接着材として応用することができた.これにより,結合強度が従来の歯科用金属接着システムに比べて30%前後高くなったものの,耐久性試験において急激な強度低下を生じて,被着体と界面剥離した. そこで本年度は,被着体をファインセラミックスに変更するとともに,イオンコーティング法を応用した接着用被着面前処理にして検討を行った.被着体のセラミックスには,従来の歯科用セラミックの1.5〜2倍の凝集強度を有する材質を採用した.イオンコーティング層をセラミックス表面に強固に結合させるための前処理としてダイヤモンド・ブラスティングを採用することにより良好な結果を得ることができた.耐久試験なしの状態での接着強度測定において,一般臨床で使われる歯科用セラミックス接着システムに比較して70%程度高い値が得られている.現在は,熱サイクル耐久試験を実施中であり,20,000回までの段階では接着強さの低下はまったく生じていない.今後,100,000回まで行う予定である. 性能評価中の本接着システムは,来年度の検討において接着材層の凝集強度を向上させた場合に,イオンコーティング層と被着セラミックスの結合界面の強度不足が予想されるところである.このため,ダイヤモンド・ブラスティングに代わる前処理が必要になるものと予想されることから,化学的前処理についての検討を始めている.
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